五重十文字とは、弓を引くのにとても重要な五箇所の縦横の十文字のことです。
会の時に五箇所すべてが十文字になっていることがポイントです。
何回引いても一定の射にする基準が五重十文字です。
では、五箇所のポイントを見ていきましょう。
弓と矢
矢を番えるときに弓と矢が十文字になるように番えます。「下にいくので低く番えています!」という人がいますが、これはユニークにならないため、やってはいけません。弓と矢が十文字になる点は1点しかありません。しかし、下に番えたら、どこまで下に番えるのか!?下に飛んだら更に下に番えるのか!?一定にならないのでやめましょう。また手の内の親指を擦ってケガの原因にもなります。
矢を番えたら、取り掛け、打ち起こし、大三、引き分け、会と十文字になっており、正面の場合は打ち起こしから斜面の場合は大三からは矢が上を向いたり、下を向いたりしないようにします。
矢と手の内
弓は真っ直ぐ縦の線を保ち、手の内を上から押しにいったり(上押し)、握ってしまったり(ベタ押し)しないようにします。昔から「相手に手の内は見せない」と言われるように手の内はとても重要で難しいです。弓構えで作った形を変えないまま離れまでもっていくには訓練が必要です。唯一、弓と接しているところであり、力がかかってくると、どうしても握ってしまいます。
では、どうすれば良いのか。挟むように持つんです。取り掛け、打ち起こし、大三、引き分け、会と力が増してくると同時に弓が指に絡まってきます。この絡まりを感じて下さい。これが弓かえりにつながります。
そして、的中にも直結します。私の体験では手の内を崩さないようにすると締りを感じそれが当たる感覚、抜かない感覚になってきます。初めは手の内が少し痛いかもしれませんが、手の内が崩れないように心掛けて下さい。
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かけの親指と弦
取り縣けをするときに、かけの親指の腹を弦に対して十文字に取り懸けをします。そして、この十文字が離れの瞬間まで変わらないようします。この形を維持するポイントは、打ち起こし、大三、引き分け、会と徐々にヒネっていくとこです。
会では雑巾絞りのようにヒネっていくことにより離れが誘発されます。照準が徐々に合っていくイメージです。機械でいうと「ピ・ピ・ピピ、ピピーー、バン」っといったイメージです。分かりにくかったら、すみまんせん。
胸の中筋と両肩を結ぶ線
胸の中筋を縦に伸ばして垂直に立ち、両肩を結ぶ線(肩線)を地面と平行にすることです。普通に立った状態であれば、ほとんどの人ができると思います。弓を引く際に体勢が崩れないことがポイントになります。「弓が重い!」「しんどい!」「もうアカン!」とつぶれてしまったり、「オラー」っと力んで肩が上がったり、突っ込んでしまっているのをよく見ます。
体勢が崩れないよう意識するポイントは次の3つです。
- 体の中心線を意識して動かさない
- 肩が上下左右に動かないよに意識する
- おしりの穴をしめて「ピタッ!」という意識
「ピタッ!」っとしてから、物見をします。「ピタッ!」っとするまでは絶対に物見はしません。この「ピタッ!」を離れまで維持します。
首筋と矢
首筋と矢の十文字については、特にですが始めは自分の感覚と実際は違うものなので見て教えてもらいましょう。矢が上を向いていたり、下を向いていたりするはずです。矢を地面と平行にしても届かない場合は弓のキロ数を上げて下さい。
今までお伝えしてきた全てにおいてそうですが、ムービーを取ってもらって自分で確認して下さい。自分のイメージとは違うはずです。それを何度も繰り返すことで五重十文字が完成し的中率が上がってきます。的中率を上げたい人は下記も参考にして下さい。
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この記事を読んだ方が練習や稽古で当たるようになり、今まで以上に楽しく、試合で結果が残せると幸いです。一緒に弓道をやった仲間は一生の宝物です。
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