純資産とは
資産(総資産)から負債を引いた額です。(正味財産)
純資産は自己資本とも呼ばれます。
①株主資本
株主資本とは、株主が出資したものと、配当されずに留保された留保利益のことです。
- 元手:払込資本(株主が出資したもの)
- 利益:留保利益(企業の稼いだ利益)
資本金
資本金は、株主が出資した資金のうち、会社が資本金として組み入れた資金のことです。
会社法が定める法定資本であり、株式会社が最低限維持しなければならない財産の額です。
剰余金
株主資本から資本金を引いた額であり、「資本剰余金」と「利益剰余金」に分けられます。
- 資本剰余金
資本取引から生ずる剰余金であり、「資本準備金」と「その他資本剰余金」からなります。 - 利益剰余金
損益取引から生ずる剰余金であり、「利益準備金」と「その他利益剰余金」からなります。
準備金とは、会社法の規定により強制的に積み立てられる剰余金をいいます。
資本準備金と利益準備金の合計が、資本金の1/4に達するまで、株主配当金の1/10を積み立てなければなりません。
・株主配当金×1/10
のいずれか小さい方が該当します。
・株主配当金×1/10を計算します。
・上記を準備金として積み立てた場合、資本金の1/4に達しない場合は、上記金額を積み立てます。
・上記を準備金として積み立てた場合、資本金の1/4に達した場合は、準備金が資本金の1/4に達するまで積み立てます。
②その他
剰余金の配当
剰余金(会社が稼いだ利益)を株主に分配することを配当といいます。
通常は年1回、株主総会で決定されます。
なお、株主総会決議を経ることにより、いつでも配当を行うことができます。
また、定款に定めれば、年に1回に限り中間配当を行うことができます。
財源の違いにより仕訳が変わるので注意
〈その他資本剰余金を財源とした場合〉
(借)未払配当金 (貸)現金預金
〈その他利益剰余金を財源とした場合〉
(借)未払配当金 (貸)現金預金
任意積立金(剰余金の処分)
任意積立金は、株主総会の決議による利益留保額であり、法律の強制に基づかないものです。
- 特定目的積立金
特定目的のための積立金:中間配当積立金、新築積立金 - 一般目的積立金
特定の目的を決めない積立金
任意積立金の設定
任意積立金の取崩
自己株式
自社が発行した株式を自社で持っている場合の株式です。
取得時の会計処理
①有償取得
取得原価により「自己株式」勘定に計上します。
なお、取得に係る諸費用は「支払手数料」等の勘定に計上します。
(借)支払手数料
②無償取得
数のみの増加のため自己株式の金額に変動はありません。
(借)その他資本剰余金
取得:支払手数料
消却:支払手数料
処分:支払手数料(原則)、株式交付費(容認)
新株予約権の取扱い
新株予約権とは、株式の交付を受けることができる権利のことです。ストックオプションも、新株予約権の一種です。
発行時:発行に伴う払込金額を純資産の部に計上します。
決算時:特に処理は行いません。
権利行使時:
- 新株を発行する場合
新株予約権の払込金額と権利行使に伴う払込金額の合計額を資本金又は資本金及び資本準備金に振り替えます。 - 自己株式を処分する場合
新株予約権の払込金額と権利行使に伴う払込金額の合計額を自己株式の処分の対価とし、自己株式の帳簿価額と当該対価との差額を自己株式処分差額としてその他資本剰余金に計上します。
失効時:特別利益として処理します。
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